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嶋田悠亮さん
「大学新卒で農業に身を投じて〜二年間の振り返り」
皆さんこんにちは。私は農業系大学の新卒として農業法人に就職させて頂き、これまで二年間農業に携わってきました。私が職業として農業を目指した理由は、「植物や自然が好きで、それに関連した仕事がしたい。」という単純なものでした。実際に二年間農業を経験してみて、期待通りだったことも、そうでなかったこともあります。この二年間で私が考えたことや感じたことをここにまとめてみたので、「これから農業をやってみたい!」という方々の参考になれば幸いです。

◯期待通りだったこと、そうでなかったこと
私が実際に農業を経験して、当初のイメージ通りずっと面白いと感じていた部分は「自然・いきもの相手」ということです。美しいみどり、大小様々ないきもの達、移り変わる季節、身の回りの物事が常に変化しており、生命力を肌で感じられることにワクワクさせられます。
一方で、思ったより大変…と感じた事は、「締切」や「成果」といった、あらゆる職業で存在する苦労が農業においても例外なくあることです。これは私が新卒だったので、余計に強く感じたことかも知れません。いきもの相手では、対象が人間の気分やペースに関係なく常に変化し続けています。タイミングを逃せば収穫(≒収入)に影響してしまい、「業」としてやる意味がなくなってしまうので、緊張感を感じる場面もあります。
また、意外にも面白いと感じるようになったことは、「仕事を回す」、「段取りを考える」ということです。締切がある以上、いかにして限られた時間の中で多くの仕事をこなすのかを考えます。そして経験の蓄積の中でそれが思い通り実現できるようになってくると、仕事を組み立てることが面白くなってきます。

◯考え方の変化
私は将来的に独立就農希望で、当初は「自分にできるのだろうか?」という不安ばかりでしたが、この二年間を経て「自分でやってみたい!」という前向きな気持ちになりました。
当初は農業について、有機でやりたい!無農薬でやりたい!などと、栽培方法にばかり焦点を当てて考えていました。それはそれで、自分の方向性を考える上で有意義なことだと思いますが、それだけでは現実味がなく考えを膨らませることに限界を感じるようになりました。実際の現場で思い通りいかないことや疑問にぶつかるうち、自分が将来的に農業をやり続けるために「どうやったら農業で生計を立てていけるのか」ということの答えを欲するようになり、今では農業の生産のみならず経営していくという視点を持って考えるようになりました。自分の農業に対する考え方が、「ただやってみたい」という漠然としたものから、「生業」としての面白さを追求することができるようになったのは、経験を通して農業者として考える力が少しでも身についたのではないかと実感しています。さらに、その考える力が仕事に対する提案だったり、自分の業務遂行力につながり、自信にもなりました。

◯これから農業に挑戦しようという方々へ
私は農家出身ではありませんが、入社前に農業に関して全く未経験だったわけではありませんでした。農業系大学の出身だったことに加え、農家アルバイトや知人の農作業手伝いである程度の経験があったので、自信を持って入社しました。しかし、実際に業務に当たってみると、作業は平均よりも遅く機械もろくに使いこなせず、それを指摘されることもしばしば。一時はひどく自信を無くしたものでした。しかし農業に関するモチベーションを保ちつつ、失敗を反省し、行動を改善していけば、次第に仕事の先読みができるようになり、今まで気がつかなかったような面白さを発見するようになり、結果的にそれらが自信や評価につながっていきました。人によってセンスの有無は確かにありますが、センスが無いと言われる人でも、経験や試行錯誤を重ねれば、センスの有る人に負けないくらいの熟練者になれると思います。特に農業という仕事はこういったチャンスをつかみやすいのではないかと、私はそう思います。農業にはいろいろなやり方があるというのはよく聞きますし、私もそう考えています。農業を志す一つの動機として、自然や生き物に囲まれて仕事がしたいというもので十分だと思います。あとは、実際に体験してからぶつかる諸問題についてあれこれ悩み、自分なりのやり方を追求していくことが「やりがい」になり、面白さです。自分なりの農業を探しに、ぜひ本物の農業に挑戦してみて下さい!
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お礼・感想のお手紙
深作農園では、短大生・大学生の方はもちろん、社会人の方にもインターン(農業体験)を実施しています。
当園の従業員と一緒に、時期に合った仕事を体験していただくプログラムで、
    日帰りでもし、1泊~数日の宿泊型でも体験していただくことができます。

当園のインターンシップ体験者からいただいた手紙をご紹介いたします。